橋本ロマンス クリエイションワークショップ クリエイションWS&ショーイング
2025年8月にオープンしたDance Base Yokohamaの1階スペースにて、同年9月より開催されている演出家・振付家の橋本ロマンスによる以下のプログラムをご案内します。
・無料ショーイング観覧(現在受付中)
・無料ワークショップ(お申し込み終了)
・クリエイションワークショップ(お申し込み終了)
◆ 概要
横浜はさまざまな文脈が複雑に交差する場所です。そこでは抑圧や虐殺の歴史、ダンスやファッションなどの歴史、海を渡ってきたさまざまな人々の歴史が互いに編み込まれています。そこにダンスハウスがあるということ。一人一人の身体と、その身体が持つ歴史そのものを、自分のものとして、もしくは社会から形作られて/しまっているものとして、出会い直し、変化を試みることが出来る場所があるということ。私はこのことに途方もない可能性を感じています。
DaBYは横浜湾にほとんど抱かれるようにしてあります。何百年もの間、人や物の出会いの入口となってきたこの場所で、自分自身の身体とその歴史の手ざわりをもとに、わたし/たちが探すべきもの、語らざるをえないもの、証明したいものを共に探していくプロジェクトにしたいと考えています。
クリエイションワークショップの参加において、ダンスやパフォーマンスの経験の有無は問いません。全員で同じことをきっちり揃ってするようなものにはならないと思います。ある人は激しさを欲し、ある人は静けさを必要とするかもしれません。そのさまざまなグラデーションを保ったまま、糸をたぐり、編み広げていく試みをしてみたいと思っています。
橋本ロマンス
◆ 無料ワークショップ
■ 参加費
無料
■ 日程
9月20日(土) 14:00–16:00
テーマ:さまざまな方法で自分の身体を解放してみる
内容:ストレッチ、様々な方向やバランスを試す、音楽に合わせて体を動かす
対象:運動初心者、ダンス未経験者向け
9月27日(土) 14:00–16:00
テーマ:自分の身体を知りコントロールしてみる
内容:ストレッチとトレーニング、脱バレエ中心的な身体操作、振付
対象:運動経験者、ダンス経験者向け
◆ クリエイションワークショップ
■ 参加費
① WS全6回+ショーイング出演:¥10,000
② WS全6回(ショーイング出演なし):¥10,000
③ WS単発受講(ショーイング出演なし):¥2,000
上記3つの参加方法からお選びください。
■ 日程
10月11日(土) 14:00–16:30
内容:クリエイションについての説明 / コンテンポラリーダンスとは何か? / 身体の政治性 / 振付
10月25日(土) 13:00–17:00
〈ハンのキオク・横浜における朝鮮人虐殺をめぐる〉
ゲスト:uhi
11月8日(土) 13:00–17:00
〈ノーアイデンティティ・横浜中華街の華僑の人々をめぐる〉
ゲスト:青剣
11月22日(土) 13:00–17:00
〈パンとバラ・横浜の青線地帯をめぐる〉
ゲスト:唐井梓
12月13日(土) 13:00–17:00(公開リハーサル/参加者向け)
12月20日(土) 13:00–17:00
12月21日(日) 13:00–17:00(リハーサル/ショーイング)
※10/25・11/8・11/22は、前半2時間がリサーチ、後半2時間がクリエイションとなります。
※10月から11月8日(土) の3回は単発参加が可能です。
※11月22日以降の3回は通し参加者(ショーイング出演の有無を問わず)のみ参加できます。※単発受講はできません。
※通し申込は全6回ご参加いただく前提ですが、ご都合により欠席される回があってもお申込みやショーイング参加には支障ございません。欠席予定がある場合は、備考欄に日時をご記入ください。
■ クリエイションワークショップ 申込み
Peatixよりお申し込みください。
※お申込みには DaBYメンバーズ登録(無料) が必要です。事前にこちらからご登録ください
※一度ご購入されたチケットは、お客さま都合によるキャンセル・払戻・変更はできませんのでご注意ください。(参加者向けの情報)
やむを得ない事情でキャンセルされる場合は、必ずcontact@dancebase.yokohamaまでご連絡ください。
◆ 無料ショーイング観覧
■ アーティストコメント
このプロジェクトは、Dance Base Yokohama(DaBY)と共に、もっと横浜という場所を知り、学びたいという気持ちからスタートしました。その上で、排除のための様々な線引きがなされ、戦争の足音が近づいているように思えてならない今こそ、横浜という場所の文脈を辿り、 「今・ここ」 で表現をすることの意味を丁寧に見つめ直すことが重要だという私の思いをDaBYへ伝え、当初の予定にはなかった、ゲストを招いて様々な跡地や実際の場所を歩いてめぐるワークも今回のプロジェクトへ組み込みました。
〈ハンのキオク・横浜における朝鮮人虐殺をめぐる〉
〈ノーアイデンティティ・横浜中華街の華僑の人々をめぐる〉
〈パンとバラ・横浜の青線地帯をめぐる〉
社会を構成するものとは何か?そしてその構造とはどのようなものか?その構造の中で隠され、見えづらくされている存在がいるのではないか?そのような問いの中で、今回は上記の3つのテーマに沿って、ゲストと共に実際の場所を歩き、証言や文献などを使用して過去と現在のことを皆で学び進めました。
歩けば歩くほど、知れば知るほど、これをどうやってアウトプットすれば良いのか分からなくなる。というのが参加者の反応でした。様々な文脈を知り、自らの特権性に自覚的になることで、身動きが取れなくなる。それはとても自然で真摯な反応だと私は考えます。表現とは良くも悪くも影響力を持つもので、それは使い方によっては恐ろしく暴力になります。その危険性を知った上で、「今・ここ」で自分/たちが出来ることを考える。このプロセス自体が、今回の試みにおいて、最も大切にされるべきことだと思っています。
そのため、この「ショーイング」は、いわゆる観客に「みせる」ことを目的としたものにはならないかもしれません。それぞれ異なるバックグラウンドや思いを持ってこのプロジェクトに参加した一人一人の、知り、学び、悩み、試みた痕跡を、「ひらく」ようなものになるような気がしています。そして、そのひらかれたものが、それに触れた誰かにとっての新しいきっかけになっていくこと、この種がどこかに運ばれること、いつか根を生やすものになることを私は願っています。
まだ運ばれる前の、この種としての試みに触れに来て下さったら嬉しいです。
橋本ロマンス
■ 参加費・日程
参加費:無料
公開リハーサル:2025年12月13日(土)13:00-17:00
ショーイング:2025年12月21日(日)15:00-16:30 (開場:14:30)
*イベントの所要時間は90分を予定しております。
■ ショーイング観覧お申込み
※お申込みにはDaBYメンバーズ登録(無料)が必要です。事前に こちらからご登録ください。
◆ 会場
Dance Base Yokohama 1F
アクセスはこちら
神奈川県横浜市中区北仲通5-57-2 KITANAKA BRICK&WHITE BRICK North 1階
みなとみらい線 馬車道駅 出口2a「横浜北仲ノット」直結
【会場設備】
- 更衣スペース:着替えが必要な場合は、3階スタジオの更衣スペースをご利用ください。
- オールジェンダートイレ・シャワー:3階には、どなたでも使えるオールジェンダートイレとシャワールームがあります。
- 多目的トイレ:会場向かいのスーパー横に、車椅子でも利用しやすい多目的トイレがあります。
※車椅子での来場や、情報保障が必要な方のサポートも行っています。
必要なサポートがある場合は、下記メールアドレスまでご相談ください:
contact@dancebase.yokohama
【例】耳の聞こえない・聞こえづらい方への筆談対応、目の見えない方が介助者と一緒に参加するケース など
◆ ゲストプロフィール
〈ハンのキオク・横浜における朝鮮人虐殺をめぐる〉10月25日(土) 13:00–17:00
ゲスト:uhi
1994年、東京生まれ。朝鮮学校と韓国学校に通う。かつて母が“帰国“を望んだ朝鮮民主主義人民共和国と父の憧れたアメリカの大きな存在を影に感じながら、日本・韓国社会の中で自分が在日朝鮮人三世として抱かざるを得なかった違和感を頼りに活動するクィア。ノンバイナリー。入管運動や関東大震災朝鮮人虐殺の記憶継承に取り組む。ほうせんか100周年追悼式実行委員会「百年」、「百美+(関東大震災朝鮮人虐殺から100年を迎えて千葉県の美術シーンを再考しそのあり方を模索するプロジェクト)」など。
〈ノーアイデンティティ・横浜中華街の華僑の人々をめぐる〉11月8日(土) 13:00–17:00
ゲスト:青剣
からだ部主催/ダンサー/ワークショップクリエイター。華僑として横濱に生まれる。日本大学芸術学部卒業後、ダンステアトロ21に所属し、カンパニーの舞台に出演。その後、ダンスカンパニーFonte(後にfonte project)を立ち上げて舞台活動したのち解散。一年間の欧州遊学、活動を再開させ、方々のプロジェクトに参加。現在は大学、各種教育機関で独自に編集した緊張を解くアイスブレイクとボディワークのプログラムを多方面で展開しつつ、からだ部の各種のプログラムを企画している。
〈パンとバラ・横浜の青線地帯をめぐる〉11月22日(土) 13:00–17:00
ゲスト:唐井梓
お茶の水女子大学大学院博士後期課程。専門はジェンダー/セクシュアリティと政治学、商業的セックス。研究関心のキーワードは、クィア理論、フェミニズム理論、権力と暴力、差別と排除、植民地主義暴力。研究活動を行うかたわら、全国学生有志による学費値上げ反対アクションや、関東大震災における朝鮮人虐殺を記憶・継承する活動に参加している。日本におけるフェミニズムへのバックラッシュの背景には、植民地主義暴力の批判的検討の不十分さから連綿と続く、商業的セックスに対する構造的抑圧があると考え、研究を進めている。
◆ アーティスト プロフィール

橋本ロマンス Rom Hashimoto (they/them)
1995年生まれ。東京都出身。they/them。演出家、振付家、キュレーター。マイノリティ・ポリティクス、クィア・アクティヴィズム、脱植民地主義などを主題とし、抵抗やノイズを生み出す手段として作品と社会/都市を地続きにすることを目的とした同時代性の高いパフォーミングアーツ作品制作やアートイベント、プロジェクトを展開。サイトスペシフィックな空間デザイン、テーマを多角的に掘り下げるアプローチによって、主題に対し新たな仮定を提示するスタイルが特徴。
主な演出・振付作品
- 2024「饗宴/SYMPOSION」(公財)せたがや文化財団主催、
世田谷パブリックシアター - 2023「スローヘルツ」スローレーベル主催、象の鼻テラス
- 2023「Pan」(リクリエーション版)愛知県芸術劇場主催、愛知県芸術劇場小ホール
- 2022「2020」パルコ・プロデュース主催、白井晃演出・高橋一生主演、パルコ劇場他
- 2021「江丹愚馬」Dance Base Yokohama × 愛知県芸術劇場主催、KAAT中スタジオ
- 2021「Pan」Dance New Air 主催、スパイラルホール
- 2021「デビルダンス」横浜ダンスコレクション主催、のげシャーレ
受賞歴
- 2024 THEATRE ARTSベストステージ 1位選出
- 2024 朝日新聞年間ベスト舞踊公演選出
- 2024 読売新聞年間ベスト舞踊公演選出
- 2021 日本ダンスフォーラム賞
- 2021 朝日新聞年間ベスト舞踊公演選出
- 2020 横浜ダンスコレクション最優秀新人振付家賞
- 2019 SICF20 PLAY部門グランプリ
◆ クレジット
主催:橋本ロマンス、Dance Base Yokohama
リサーチ協力: uhi、青剣、唐井梓