OrganWorks 企画 『第8回 ブレスト』

題字 安田有吾
◆ブレストについて
様々な分野の第一線で活躍する方をゲストに招き、平原慎太郎やOrganWorksメンバーと共に対談をしていただく企画。
コンテンポラリーダンスを切り口とし、創作や研究に対する考え方を引き出し、専門家の持つ独自の美学を引き出す事を目的とする。
相互の発想やアイデアが連鎖になり、新たな世界を創作する種が生まれることに期待を寄せ【ブレスト】という企画名にした。
架空のブレスト(ブレインストーミング)を通して、各自の定点、そしてこれからの創作に対する活動意欲や興味を引き出す機会とする。
◆概要
Vol.1「これからをつくる、ダンス妄想会議」
日時:2025年4月13日(日) 15:00-16:30
町田妙子(OrganWorks)
ゲスト:田中希(Dance Base Yokohama)×神村結花(Dance Base Yokohama)
クリエーションの環境は振付家にとっても、ダンサーにとっても重要です。
Dance Base Yokohamaでのクリエーションはなんだかいつも捗ります。
その理由は、Dance Base Yokohamaの環境にあります。
スタジオはスタッフチームがスタジオに行き来しやすくも、区切りやすくも作られており創作現場の内側と外側を自由に行き来できる工夫がされています。
作品に集中もできるし、こもった空気から逃げることもできる。スタッフもクリエーションのすぐ横で仕事をしながら見たり見なかったり。いい距離を保っています。
私はダンサーとして活動しながらも、OrganWorksの育成事業「Terra Co.」の企画制作を行ったりと、ダンスの未来を切り開く一員になりたいという思いが強く、特に教育面に力を入れ「制作」に携わっています。
アーティストのサポートや育成をはじめ、さまざまな事業を展開しているDaBYで活動する、アシスタントディレクター田中希さんとクリエイティブスタッフの神村結花さん。
各々がDance Base Yokohamaのスタッフとしてだけでなく、コンテンポラリーダンスのこれからをどう描きたいと考えているのか、架空の公演の制作を担当することになったら・・・?など妄想を交えながらブレストをしていきます。
ダンサーという作品の中身となる役割と外側から構造を支える「制作」という役割を行ったり来たりしながらトークできればと思っています。
町田妙子
Vol.2 「芸術に競技性は必要?競技に芸術性は必要?」
日時:2025年4月20日(日) 15:00-16:30
渡辺はるか(OrganWorks)
ゲスト:佐藤夏生(スノーボーダー)
今回は、アウトドアブランドに従事しながら、スノーボーダーとして活動する佐藤夏生さんをゲストにお招きします。
<なぜ、コンテンポラリーダンスカンパニーの企画でスノーボーダーをゲストに?>
この二つの全く異なるジャンルを繋げてくれたのは、あることをきっかけに渡辺のコンテンポラリーダンスクラスを受けて下さった佐藤さんの言葉でした。
クラスの後に、佐藤さんは「ダンスは身体を扱いながら、芸術分野として成立する運命を辿っているのが羨ましい!」というようなことを仰ったのです。
「スノーボードは、サーフィンやスケートボードという”横乗り文化”の影響を受けながら、歴史の中で競技性とアート性の双方を発展させてきた。その競技性が一般社会に浸透したことで最近ではスポーツとして捉えられることも多いが、スノーボードのコアは”遊び”にあると感じており、スノーボードの可能性を探究したい」のだと。
「ダンスは、スノーボードにとってパフォーミングアートの先輩」とも考えられるこれは事前ミーティングで佐藤さんから出た言葉です。
私は今回の対談で「スノーボードは、ダンスにとってアウトドアの先輩」と考えてみたいと思います。単に屋外スポーツという意味ではなく、小さなカルチャーから、娯楽、観光、もしくはファッションに発展し、扉の外へと踏み出した点です。
これは、競技という、ある基準を持ったからこその発展でもあるとも考えられます。枠組みを更新し続けることが宿命であるコンテンポラリーダンスにとって、スキルの基準を定義することは難しく、その結果<プロ>の曖昧さも繋がっている。そんな課題を持つコンテンポラリーダンスからしても、良き相談相手かもしれないと考えました。
いい滑りってなんだ?
いい踊りってなんだ?
いい動きってなんだ?
を常々考えている点で我々は共通しています。そんな少しコアなトークにぜひ、ジョインしてください。
渡辺はるか
◆会場
Dance Base Yokohama (https://dancebase.yokohama/access)
神奈川県横浜市中区北仲通5-57-2 KITANAKA BRICK&WHITE BRICK North 3階
みなとみらい線 馬車道駅 出口2a「横浜北仲ノット」直結<
◆料金
入場無料、ワンドリンク制 (現金のみ)
・ワイン(赤/白)
・コーヒー(ice/hot) 各500円
◆お申込み
Googleフォーム
*お申込みにはDaBYメンバーズ登録が必要です。こちらより事前にご登録ください。
◆プロフィール
Vol.1「これからをつくる、ダンス妄想会議」

田中希
Dance Base Yokohama 広報/制作
お茶の水女子大学文教育学部言語文化学科仏語圏言語文化コース卒業。
幼少期からダンスに親しむ。大学卒業後、航空会社で客室乗務員として国内外の路線に乗務。その後、地域創生に関わるIT企業にて広報を担当。
在職時より日本国内におけるダンスの普及発展に興味を持ち、退職後、Dance Base Yokohama(DaBY)の立ち上げに参加。オープン時より、DaBY制作および広報マーケティング業務に携わる。
これまでの主な担当として、愛知県芸術劇場×DaBYダンスプロジェクト 鈴木竜×大巻伸嗣×evala『Rain』、クリスタル・パイト「KIDD PIVOT」日本公演、NDT(ネザーランド・ダンス・シアター)プレミアム・ジャパン・ツアー2024など。

神村結花
Dance Base Yokohama 制作
横浜生まれ。横浜市立大学 国際総合科学部 国際教養系卒業。
4歳よりクラシックバレエをはじめ、ダンサーを志すも、国内における芸術体験を日常の身近にすることをめざして、キャリアを変更。現在、Dance Base Yokohamaにて制作・広報を務めている。
2021年、日頃の芸術活動の成果として横浜市立大学の「YCU Student Award」を受賞。
共著に『コロナ禍を生きる大学生ー留学中のパンデミック経験を語り合う』(昭和堂)。

町田妙子
OrganWorks ダンサー/制作
幼少よりクラシックバレエを久保栄治、陽子に師事。
日本女子体育大学舞踊学専攻卒業。在学中より青木尚哉にコンテンポラリーダンスを師事。
鈴木ユキオや、Carmen Wernerなど国内外の多くの振付家の作品に出演。
2013年より平原慎太郎が主宰するコンテンポラリーダンスカンパニーOrganWorksに所属。
伸びやかで繊細な身体表現に優れ、そしてそれを伝えることのできるダンス講師やムーブメント指導者としても定評がある。
OrganWorksの育成事業「Terra Co.」や仁田晶凱とオータムプロダクションズを立ち上げ、企画制作を担当するなど、多角的にダンスに関わる活動を行っている。
Vol.2 「芸術に競技性は必要?競技に芸術性は必要?」

佐藤夏生
スノーボーダー
幼少期からスノーボードに勤しみ、15歳でカナダへ渡る。作品撮影や日本代表選手を経て、選手引退後はアウトドアブランドに従事。
現在もスノーボード通して身体表現やカルチャーを深掘り続ける。

渡辺はるか
OrganWorks ダンサー
5歳よりモダンダンスを岡田香、コンテンポラリーダンスを鈴木千穂に師事。
様々な舞踊コンクール現代舞踊部門にて第1位など受賞。
立教大学現代心理学部映像身体学科を卒業。
大学在学中よりコンテンポラリーダンスを平原慎太郎に師事、OrganWorksに所属し作品に出演、振付アシスタントとしても活動。
柔軟で強靭な身体性を生かし、観ているものが予測不能のムーブメントを繰り出す。
現在、俳優やステージングアシスタントとしても活動中。