Transportation of the Other ー感覚移植ー
2025年度DaBYレジデンスプログラムの一環として展開される、プロジェクト「Transportation of the Other ー感覚移植ー」。
2026年2月上旬から行われる本レジデンス期間の集大成として、作品の上演、および今後のさらなる展開に向けた「アフターディスカッション」を開催いたします。
◆ Transportation of the Other ー感覚移植ーとは
子宮内膜症の体験から生まれたドキュメンタリーパフォーマンス。
本企画では、演技を「他者の感覚を自分の身体に移植する行為」と捉え、その際に生まれる「違和感」や「拒否反応」を観察しながら、自己と他者の境界を見つめ直します。
2019年秋、私は子宮内膜症と診断されました。
本来は子宮の内側にのみ存在する膜が、卵巣など別の場所で増殖し、出血を繰り返す病気で、出産年齢の女性の十人に一人がかかると言われています。極度の痛みになると、仕事を休んだり、職を失ったり、社会生活や性生活が制限されたりすることもあります。
当時、医師から提示された選択肢はふたつ:「今すぐ妊娠する」か、「一刻も早く生理を止める」か。私は、完全に生理を止めるピルの服用を選びます。
もしあの時、妊娠を選んでいたら?
本作では、その問いを、感覚を移植したり、されることで想像してみたいと思います。
現在ふたりの子どもを育てているnaoさんに「ドナー」として執筆を依頼し、彼女の言葉を「臓器」とし、“母である感覚”を「レシピエント」である竹中に「移植」します。
同時に、竹中は、“子宮内膜症の感覚”をテキスト化し、4名のパフォーマーへ移植します。
こうした「感覚移植」のプロセスを通じ、他者を理解することはできないという前提のもとで、それでもなお、「いかにして共に生きることができるか」を考えてみたいと思います。
竹中香子
◆ 上演情報
日時:3月1日(日)13:00-
上演時間:約100分
上演終了後に、今後の展開に向けたアフターディスカッションを開催します。
ゲスト:
砂連尾理氏(ダンサー・振付家)
白石正明氏(編集者・元医学書院)
田村かのこ氏(アートトランスレーター)
◆ お申し込み
料金:無料
お申し込み:Peatixにて予定(詳細は近日中に公開いたします。続報をお待ちください。)
※お申し込みには DaBYメンバーズ登録(無料) が必要です。事前にご登録ください。
◆ 作品クレジット
作・構成・出演:竹中香子
出演:大崎晃伸、太田信吾、岡本優、田中夢
講義出演:木村覚
テキスト提供:nao tanigaki
舞台美術:中村友美
ナラティブパートナー:南野詩絵(お寿司)
協力:Gaëtan Vourc’h
企画制作:一般社団法人ハイドロブラスト
◆ 会場
Dance Base Yokohama 3F
アクセスはこちら
神奈川県横浜市中区北仲通5-57-2 KITANAKA BRICK&WHITE BRICK North 3階
みなとみらい線 馬車道駅 出口2a「横浜北仲ノット」直結
【会場設備】
- オールジェンダートイレ・シャワー:3階には、どなたでも使えるオールジェンダートイレとシャワールームがあります。
- 多目的トイレ:会場向かいのスーパー横に、車椅子でも利用しやすい多目的トイレがあります。
※車椅子での来場や、情報保障が必要な方のサポートも行っています。
必要なサポートがある場合は、下記メールアドレスまでご相談ください:
contact@dancebase.yokohama
【例】耳の聞こえない・聞こえづらい方への筆談対応、目の見えない方が介助者と一緒に参加するケース など
◆ 参加者プロフィール
竹中香子 Takenaka Kyoko
プロデューサー・俳優・演劇教育。日本人としてはじめてフランスの国立高等演劇学校の俳優セクションに合格し、2016年、フランス俳優国家資格を取得。パリを拠点に、フランス国公立劇場を中心に多数の舞台に出演。2021年、フランス演劇教育者国家資格を取得。主な出演作に、市原佐都子 作・演出『妖精の問題』『Madama Butterfly』。2024年初戯曲を執筆し、『ケアと演技』を上演。2025年、アートセンターBUGにて開催された『サテライト・コール・シアター』の企画・演出を手がける。
nao tanigaki
奈良県出身、山形県在住。ライター、編集者。二度の出産を経験。2025年、家庭のケアにまつわるアートプロジェクト『サテライト・コール・シアター』にて、脚本執筆と演者を初担当。今回は、出産に伴う自身の身体の不可逆な変容を感覚的に捉え、死角である「会陰」を起点としたテキストを提供。
大崎晃伸 Osaki Terunobu
黒沢美香に入門し、30歳からダンスを始める。クールで熱いダンスを目指している。芸能の継承に関心があり、能や日本舞踊を習う。過去に、余越保子、ハイドロブラスト、武本拓也、市原佐都子らの作品に出演。近年は、稽古観察や演出助手という立場で演劇にも関わる。1984年生まれ、東京出身。
田中夢 Tanaka Yume
俳優、映画制作者。2019年立教大学現代心理学部映像身体学科卒業。主な出演作に、マレビトの会、遊園地再生事業団、モメラスなどの演劇作品や、山科圭太監督『ボディ・リメンバー』、久保田誠監督『タートル・ハウス』などの映像作品がある。近年はドキュメンタリー映画を監督し『アクト』(2021)、『Living』(2024)は多数の国内映画祭に入選。
岡本優 Yu Okamoto
幼少よりクラッシックバレエを始める。2011年よりダンス集団<TABATHA>を主宰し創作開始。伊藤郁女「さかさまの世界」、岡田利規演出 オペラ「夕鶴」等、複数の作品づくりに携わり活動の幅を広げている。横浜ダンスコレクション2019「若手振付家のための在日フランス大使館賞 ヴァンクリーフ&アペール賞」「シビウ国際演劇祭賞」をダブル受賞。
太田信吾 Shingo Ota
映画監督、俳優。処女作の映画『卒業』がイメージフォーラムフェスティバル2010優秀賞・観客賞受賞。友人の自死と向き合い制作した長編ドキュメンタリー映画『わたしたちに許された特別な時間の終わり』が山形国際ドキュメンタリー映画祭2013で公開後、世界12カ国で公開。主な出演作に、『未練の幽霊と怪物』『わたしは幾つものナラティヴのバトルフィールド』など。
木村覚 Kimura Satoru
美学者。日本女子大学国際文化学部教授。専門は近代美学、ダンス研究・批評、笑いの哲学。ダンスを作るためのプラットフォームBONUSを2014年より主宰、ダンス創作の土壌づくりを実践してきた。
南野詩恵 Minamino Shie
1986年大阪府出身、京都府在住。劇作家、演出家、衣裳作家。これまでに市原佐都子/Q、康本雅子作品、演劇、オペラ、コンテンポラリーダンス等、さまざまなジャンルの舞台衣裳を製作。2016年、舞台芸術団体「お寿司」を立ち上げる。第15回せんがわ劇場演劇コンクール 劇作家賞受賞。
中村友美 Nakamura Tomomi
舞台美術家・セノグラファー。舞台・ダンス作品中心に活動。近年参加作品に市原佐都子/Q『キティ』、KAATキッズプログラム2025『わたしたちをつなぐたび』等。リクルートアートセンターBUG等で展示空間設計やセノグラフィーとして携わる。女子美術大学非常勤講師。
ハイドロブラスト Hydroblast
2019年に、映画監督・俳優の太田信吾が映像と演劇を手掛ける団体として設立。2022年より、俳優の竹中香子がプロデューサーとして加入。ドキュメンタリー的手法をベースに、企画ごとに役割を規定し、複眼的な作品創作を目指す。代表作に、太田信吾監督作品『現代版 城崎にて』『沼影市民プール』、舞台作品『最後の芸者たち』『ケアと演技』など。https://hydroblast.asia/
◆ クレジット
主催:竹中香子、一般社団法人ハイドロブラスト
共催:Dance Base Yokohama