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Dance Base Yokohama

Dance Base Yokohama

【総括:DaBY/ProLab 第1期 乗越たかおの“舞踊評論家[養成→派遣]プログラム”】

2024/3/30(土)

本ページは DaBY/ProLab 第1期 乗越たかおの“舞踊評論家[養成→派遣]プログラムの総括ページです。
◯第1期で発表された評論をこちらからご覧いただけます。
https://dancebase.yokohama/info/9956

◯第2期のページはこちらです。
https://dancebase.yokohama/info/10549
詳細は続報をお待ちください。

●前代未聞のプロの舞踊評論家養成プログラム

現在世界的に若いダンス評論家の育成プログラムが盛んに行われている。しかも劇場やフェスティバルなどが自主的に音頭をとって次の世代の評論家を育てている。
しかし日本においては壊滅的である。アーティストに比べ、舞踊評論家を教育し育てるためのプログラムはほとんど顧みられることがなかった。
この「舞踊評論家[養成→派遣]プログラム」は、プロの舞踊評論家を養成する ための、おそらくわが国初の、実践プログラムである。全国から公募して5人を選ぶ。半年かけて舞踊評論家の乗越たかおが考案したプログラムを受け(自ら身体を動かすGAGAも含む)、最終的には2人を海外の国際ダンスフェスに派遣しようというのだ。
我が国においては前代未聞といっていい。
公募から講義については乗越たかお(株式会社ジャパン・ダンス・プラグ)と Dance Base Yokohama が共同主催となってくれた。乗越たかおが受講生二人とともに海外フェスへの派遣される費用については、EU ジャパン日本委員会が支援してくれている。
そして2名の派遣先であるヨーロッパを代表する国際ダンスフェスティバル、Aerowaves’Spring Forward Festivalも、乗越の依頼に全面的な協力を約束してくれた。Spring Forwardもまた、フェスティバル内に若手ダンスライター育成プログラムSpring Backを持っている。舞踊評論の大切さを共有しているフェスティバルなのである。


●第一期の公募から講義まで

DaBY内の公式サイトを始め、公募を告知した乗越たかおのTwitterの記事(2023年4月9日)は累計 12 万ビューを越え、ステージナタリー(2023年4月11日付)等でも広く告知され、『ダンスマガジン』を発行する新書館のウエブマガジン『バレエチャンネル』では乗越へのロングインタビューが掲載されるなど (2023年5月26日)各方面で大きな話題となった。

応募のための課題公演は、世界で最も注目される一人、クリスタル・パイト率いるキッドピボット『リヴァイザー/検察官』が指定された。
2000字の応募原稿から二次のZoom面接を経て、最終的に選出された5名は、ロンドン在住のベテランのバレエライター、現役の大手新聞記者、建築家、神戸のダンスハウススタッフ、大学院生と、年齢も背景もバラバラな幅広い層から、能力の高い書き手が選ばれた。
本プログラムはよくある「書き方教室」ではなく、プロの舞踊評論家として自分のスタイルを発見するためのものだ。
地方在住者はZoomで参加もできるが、第一回目だけは全員集合が必須。いま世界中で行われている身体メソッドGAGAを受けてもらうためである。
評論家は書くだけではなく、身体を知らねばならない。講師はGAGAを考案したオハッド・ナハリンのバットシェバ舞踊団アンサンブルに所属していた柿崎麻莉子。最高の講師の一人である。
またおりから話題になっていた生成AI時代に対応するため、人間が作成したものとしてchatGPTの舞踊評論を評論してもらったりした。
講義は8月から12月まで、ほぼ月に一度のペース。夜8時からDaBYで行われた。受講生は毎回課題を出され、次回までに提出する。
2時間の内訳は、講義一時間、課題一時間が基本である。
実践的なトレーニングを経て力をつけると共に、乗越から「プロの評論家としての矜持」「世界のダンスの最新情報」なども伝授された。
さらに今の日本では学ぶことが難しい「欠史20年間問題」つまり「バブルが弾けて招聘公演が激減し、情報が入らずガラパゴス化に拍車がかかった過去20年間のダンス知識の欠落をアップデートする講義」も行った。
またこのプロジェクトに賛同した、多くのフェスティバルや公演が協力してくださり(Dance Base Yokohama、『踊る。秋田』国際ダンスフェスティバル、北陸ダンスフェスティバル DX、ヨコハマダンスコレクション)、受講者を招待して 知見をひろげる手助けをしてくれた。受講者はフェスのレビューを書いて、内容をフィードバックさせた。
こうした「ダンス界全体で舞踊評論を育てていこう」という心意気はとても心強いものであったし、これからの日本で、さらに増えていくことを祈っている。
さらにこのプログラムの評判は海外にもおよんでいる。乗越は、香港ダンスエクスチェンジとマカオの「詩篇舞集」という二つの国際フェスティバルから2024年に本プログラムについての講演を依頼されている。


●スプリングフォワードのダブリン、ダルムシュタット

このプログラムの目玉の一つは、世界のダンスに直接触れて見聞と人脈を広める ため、受講者から 2 名を海外のフェスへ派遣することである。
乗越たかおが派遣先に選んだのは、以前ピルゼン大会に参加したことのあるスプリングフォワード(Aerowaves ’Spring Forward Festival)である(開催都市は毎回変わる)。
ここにはヨーロッパ中から才能の原石が集まる。評価の固まったベテランではない。評論家にとって、自分の眼力にかけて新しい才能を発掘していくトレーニングになる。最高のフェスである。
2023年4月に乗越たかおは同フェスのダブリン大会へ参加して、共同ディレクターのロベルト・カサロットとエリザベッタ・ビサーロ両氏と打ち合わせをした。 彼らは本プログラムに深い理解を示し、全面的な協力を約束してくれた。心から感謝している。
この渡航費もEUジャパンフェスト日本委員会のパスポートプログラムの支援である。
派遣する2名の選出は難航した。5 名の第 1 期生はいずれも実力があり、優劣はないからだ。
スケジュールの問題、本人の希望、そして乗越の総合的な判断により、2024年の開催地であるドイツ・ダルムシュタットへは林愛弥・植村朔也の両名を選出した。EU ジャパンの支援により2024年3月19日~21日、現地で取材する予定である。
その成果はレポートにまとめ、帰国後に報告会を開催することも予定されている。


●第1期卒業生について 強い個性の集まり

五人の第1期卒業生(植村朔也、實川絢子、杉本昇太、田上拓明、林愛弥。50 音順)について、紹介しておこう。
彼らはいずれ劣らぬ実力をもった人である。それぞれにユニークな得意分野がある。
ぜひとも彼らに仕事を依頼してみてほしい。
講義で彼らが書いた原稿は、ここにある。 https://dancebase.yokohama/info/9956

〈第1期受講生の特徴〉(以下、50 音順)

◎植村朔也
プログラム中は大学院生だった。評論を書く際のユニークな視点による問題設定の巧みさ、そして強固な論理展開力にもかかわらず、思わず読ませてしまう筆力が持ち味だ。
これまでは演劇を中心に自らも様々な執筆や勉強会などを主宰してきた行動力がある。特に研究者的な知見の深さがあり、ダンスに関してもすでに十分な知識と問題意識を持っている。
本プログラムでは、ダンスへの探求熱の高さをよく発揮しており、ハッとするような評論の切り口を見せた。
長文の評論を明晰な解像度で貫く力があるが、このプログラムではあえて短い中に要点をシャープに切り取るやり方や、予想外の発想に飛ばす文章などにも取り組み、対応力の高さも大いに発揮した。

◎實川絢子
今回最も大きな変化を見せたのは彼女かもしれない。
ロンドン在住で、すでにバレエライターとして高い実績を積み活躍している。日本国内でも知名度があり、新書館の web マガジン「バレエチャンネル」でも連載 を持っている。
キャリア、知識、文章力と、総合的な能力の高さ、上品で深みのある文章はまさに手練れで、すでにズバ抜けて完成度が高かった。
しかし彼女自身はそこに安住せず、あえてその殻を破りたいと応募してくれたのである。飽くなき向上心の持ち主といえる。
プログラムの中にあった「自らの文体を壊す訓練」では、彼女の中に眠るヤンチャな魅力が顔を出し、こんな面があったのかと、じつにスリリングな瞬間があった。
こうして発見された彼女の新しい魅力を、どんどん伸ばしてほしいものだ。

◎杉本昇太
日本のコンテンポラリー・ダンスの重要拠点のひとつ、神戸DANCE BOXのスタッフだが、彼自身、舞踊評論家になるという強い意志を持っている。仕事柄ダンスの舞台を見ている数も多く、しかも勉強も怠りない。結局のところ評論は、長年努力を続けられる者が最も強いのである。
DANCE BOXは海外からのゲストも多い。また関西のダンスに詳しいことは、関東圏とは違った視線でダンスを俯瞰できる点、大きなアドバンテージを持っている。
今回も神戸からの応募やフェスの取材など、行動力もある。
なにより作品とアーティストを理解しようという情熱に溢れており、その熱量が文章にも溢れてきて読者を巻き込んでいく。
これは独自の才能であり、今後ますます伸びて、成熟していくのが楽しみである。

◎田上拓明
書くプロである新聞記者という仕事上、見られる公演やアーティストへのインタビューなど、今後の活動に大きなメリットが期待できる。それを最大限生かして向上していける伸びしろが大きい。
文章は、わかりやすく深いことをちゃんと読者に伝えられるという、基礎がしっかりできているゆえの強みが大きい。これから知識や経験を積んでいける土台がある。
また作品を見る視点に独特な角度があり面白い。
特筆すべきは、文章自体に本人の温かいキャラクターが滲み出ていることだ。辛口なことを書いても、それが相手に対する攻撃や否定と取られずにスッと入っていけ、評論家としては得がたい才能といえる。
舞踊評論家として、アーティストと深い信頼関係を築いていける可能性を秘めている。

◎林 愛弥
本業が建築家であり、舞台を空間構成の観点から見るなど、これまでにないユニークな舞踊評論が持ち味である。
さらに英語のみならず中国語が話せるのも、日本の舞踊評論家では貴重な存在といえる。アジアのダンス・ネットワークがますます重要になっている現在、これは大きな武器になるだろう。
見ている公演数も多い。フェスへも取材に行くフットワークと、自ら取材して回るアクティブさとコミュニケーション能力の高さは特筆すべきものである。
最初は端正な原稿を書く人、というイメージだったが、本プログラムでフェスの取材を重ねるにしたがい原稿がどんどん厚みを増し息づいてきた。プログラムを通して舞踊評論家としての総合力が著しく伸びており、さらなる経験を積んでどう成長するか、楽しみである。


●参加者の言葉

「乗越さんの講義からは、舞台批評にはジャーナリズムとクリティークを横断するようなフットワークの軽さが欠かせず、アクチュアルな視点を常にキープするには高い機動力が必要だと気づかされました」(植村朔也)

「自己流で試行錯誤しながら書き続けてきた文章、そして舞台鑑賞に対する姿勢に関して、その方向性が間違っていなかった、と思えるように」「やっと少し自信を持てたことで、文章の中で自分らしさを出すことに対する心理的なブロックがようやく外れた気がしています。」(實川絢子)

「自分の評論の強みを発見できたのは、受講者の皆さんのコメントがあったからこそ気づけたことですし、乗越さんから直接ご指導頂けるという現在のダンス事情や、文章のテクニック、着地の大切さなど、多くのことを学ばせて頂きました。」(杉本昇太)

「これまで『新聞社のスタイル』という限定された世界での正解にとらわれていたことが自覚でき、開放感を感じました。」「全く毛色の違ったメンバーがそれぞれ独自の視点・文体を持ち、各課題でそれをいかんなく発揮してくることが、とても刺激的でした。」(田上拓明)

「フェスの招待プログラムは参加することで読み手にダンス関係者を具体的にイメージすることができるようになったので、私のようにもともとダンスの世界と直接的な繋がりがなかった受講生こそ絶対にチャレンジすべきだと思います。」(林愛弥)


●第2期に向けて 現実を変えるだけの力を

第1期受講生が、一人の脱落もなく卒業できたことは、素晴らしいことだ。
回を重ねるごとに彼らが大きく成長していくのが目に見えてわかるほどで、メンター冥利に尽きる日々だった。

しかしこのプログラムは、彼らにとって達成感のあるものであったことは喜ばしいが、長い舞踊評論家とキャリアの中では、あくまでも通過点でなくてはならない。
ここに留まらずで身に付けたことをもって、今日からはもう何百という原稿を書き続けてほしい。
Dance Base Yokohamaも、舞踊評論家としての彼らの活動を支援する方法を考えてくれている。
しかしなによりも、本プログラムの受講生であれば、自分が書く場は、自分で切り開いていってほしい。それだけの力はあるはずだ。
すでに Dance Base Yokohama から、第2期の発表がされている。 https://dancebase.yokohama/info/10549
課題は NDT 来日公演、そして派遣するフェスの開催地はイタリアだ。
そしてこうしたプログラムは、一回こっきりのイベントではなく、10 年 20 年 の継続性をもったスパンで考える必要がある。
想像してみてほしい。
このプログラムが10年間続けば、「プロのための講座を受けた舞踊評論家が50人」「海外取材を経験した舞踊評論家が20人」 そろうことになる。
これは舞踊評論の世界を変えるのには十分な数だろう。
このプログラムは、若い書き手に実感できる希望を与え、本気で日本の舞踊評論の環境を変えうる存在であると自負している。
より多くの応募と、ご支援のほど、よろしくお願いする次第である。

 


【DaBY/ProLab 第 1 期 乗越たかおの“舞踊評論家[養成→派遣]プログラム”】
・共同主催: 乗越たかお(株式会社ジャパン・ダンス・プラグ) Dance Base Yokohama
・後援:EU ジャパンフェスト日本委員会
・協力:Aerowaves ’Spring Forward Festival 

 

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