PORT: Performance or Theory #5
PORT は、パフォーマンスアート、パフォーミングアートの両分野の作家を対象とした、相互批評や言説化のためのアーティスト・プラットフォームです。実行(Performance)/または(or)/理論(Theory)の視点から展開することから、頭文字をとってPORTと命名されました。2019年に振付家のハラサオリがF/Tと共同開催した言説化ワークショップ『アーティスト・ピット』の参加メンバーを中心として翌年発足、以来ANB Tokyo(東京)やDance Base Yokohama(横浜)などで不定期に実施されています。
ダンス、演劇、パフォーマンスアートなどに取り組むアーティストたちが集い、オープンまたはクローズの形式を選択しながら、プレゼンテーション、トーク、共同リサーチなどを行います。
2023年度最初の開催となる今回は、国内外で活躍する4名のアーティストが滞在制作レポートや新作プレトークを行います。
◆8/5(土)19:00-21:00 三野新、遠藤麻衣
2021-2022年にそれぞれACCフェローシップ制度、文化庁新進芸術家海外研修によりNYにて研修を行った2人のアーティストによる活動報告会を行います。
2022年6月から2022年の1月までACC(アジアン・カルチュラル・カウンシル)のニューヨークフェローシップ制度で、ヨーロッパ経由(ドクメンタ)でニューヨークに滞在しました。
ニューヨークで見たり聞いたり話したりしたことの中で、自分なりに現在の日本の芸術シーンについて整理したり、考えたことを話します。
2022年1月、コロナ禍による移動規制が少し落ち着いてきたころに、文化庁新進芸術家海外研修制度でニューヨークに渡航しました。急激な円安に翻弄されつつ1年間滞在したニューヨークでの調査や活動を報告します。主な研修先であるアート・オーガナイゼーション・イン・レジデンス「Franklin Furnace Archive」や、コミュニティガーデンや公園での野外イベント、People of Colorによるクィア/フェミニスト的な芸術実践について話す予定です。
◆8/6(日)19:00-21:00 倉田翠、ハラサオリ
2023年11月さいたま国際芸術祭にて発表される倉田翠新作『指揮者が出てきたら拍手をしてください』プレトークを行います。前半は倉田翠によるこれまでの作品紹介、後半は同作出演のハラサオリとの対談になります。
◆8/4(金)〜8/6(日) PORT Private Salon [アーティスト対象・入場無料]
有料トークイベントと共に、若手アーティストのための無料サロンを開催します。このサロンでは、登壇アーティストがクローズドな空間で作品のプレゼンテーションを行ったり、当日の参加者を交えてフリートークや共同リサーチなどを行います。
アーティストやプロを目指す学生を対象に、以下のフォームより申込受付中です。
◆申込
◆参加アーティストプロフィール
写真家、舞台作家。福岡県生まれ。周縁化された場所やものに残る記憶や風景を繋ぎ、「ここ」と「あそこ」の中間項を見つけ前景化させることをテーマに研究と実践を行う。主に自身で撮影した写真・映像をもとにフィクションを作り、それを自己と他者の身体、様々なメディアを通して発表するなど、領域横断的に活動している。
2011年早稲田大学文学部演劇映像コース卒業、2017年東京藝術大学美術研究科先端芸術表現専攻博士後期課程修了。博士(芸術)。2022年から2023年までAsian Cultural Councilの助成を受け、ニューヨークに滞在。現在は東京と神奈川を拠点に活動。
近年の主な展覧会・公演に「SEAsaw: 木曽川、宇宙を航海する」(mh PROJECT ノコギリニ、愛知、2023)、「YAU TEN」 (YAU STUDIO、東京、2022)、「クバへ/クバから」(ANB Tokyo、2021)、『うまく落ちる練習』(京都芸術センター、2019)など。
2023年9月より十和田市現代美術館spaceにて個展開催、10月よりNYでグループ展に参加予定。撮影:細倉真弓
www.aratamino.com
俳優・美術家。イメージとの関わりにおけるパフォーマティブな身体に関心を寄せ、映像、写真、演劇、本などのメディアや方法論を横断した表現をしている。近年は、美学校で「シャドーフェミニズムズの芸術実践」の開講や、丸山美佳との「Multiple Spirits(マルスピ)」でジン出版や展覧会企画などクィアフェミニスト的な実践を展開している。主な展覧会に「体の終わり La Clausura del Cuerpo」(Centro Cultural las Cigarreras、Alicante、2022) 「燃ゆる想いに身を焼きながら」(愛知県立芸術大学サテライトギャラリー SA・KURA、愛知、2021)、「フェミニズムズ」(金沢21世紀美術館、石川、2021)、「ルール?」(2021年、21_21 DESIGN SIGHT)など。2023年に「Scraps of Defending Reanimated Marilyn」(oarpress)刊行。2021年東京芸術大学美術研究科博士後期課程修了。2022年文化庁新進芸術家海外研修制度でニューヨーク滞在。
1987年三重県生まれ。京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)映像・舞台芸術学科卒業。 3歳よりクラシックバレエ、モダンバレエを始める。京都を拠点に、演出家・振付家・ダンサーとして活動。作品ごとに自身や他者と向かい合い、そこに生じる事象を舞台構造を使ってフィクションとして立ち上がらせることで「ダンス」の可能性を探求している。2016年より、倉田翠とテクニカルスタッフのみの団体、akakilike(アカキライク)の主宰を務め、アクターとスタッフが対等な立ち位置で作品に関わる事を目指し活動している。セゾン文化財団セゾン・フェローⅠ。2024年度から、まつもと市民芸術館 芸術監督(舞踊部門)に就任。
美術家、振付家、ダンサー
1988年東京生まれ。
自己や他者への振付行為を軸に、光、音、空間、テキストなど多様なメディアを用いて、現実と虚構を織り交ぜた上演型作品を制作する。近年は社会と身体の権力関係に着目したパフォーマンスリサーチを展開中。2023年ベルリンから東京・神戸へ移住。
2015年東京藝術大学デザイン科修士、2018年ベルリン芸術大学舞踊科ソロパフォーマンス専攻修了。2012年バウハウス大学造形学部留学。2013年吉野石膏美術振興財団在外研修員。2017年ポーラ芸術美術振興財団在外研修員。2020年第9回エルスール財団新人賞コンテンポラリーダンス部門を受賞。
2020-2022年ACY U39アーティストフェロー。2020年よりDance Base Yokohamaレジデンスアーティスト。2021年より武蔵野美術大学映像学科非常勤講師。