Dance for Pleasure
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踊る作品にする。
コンセプトを身体外の概念として共有するより、アイデアを動きそのものに深く落とし込み具体化する作業を通じ、無自覚で理性を超えた個性があらわれるような創作をしています。 アイデアは稽古のたびにいつも更新されていきます。
私はダンサー達の思考と身体のせめぎ合いに興味があるので、私の仕事はその為の場と時を設けることのみです。常に主役はダンサー達の身体と思考と関係性です。
動きの前の動機は関係することにある。
今回のテーマはユニゾン(同じ振付を複数人で踊ること)です。
私は長年、音楽に合わせてユニゾンで踊ることにある種の不快感がありました。周りと同期することで自主的な関わりが失せていることに。揃うことが快感になってよいのだろうか。それを見て気持ちよいのだろうか、と。
違和とズレを失わずに同調をしようとすることでグルーヴになるのではないだろうか。配列や角度や音の取り方を統合して一糸乱れぬように踊るよりも、グルーヴを重視したい。そして私が目ざすのは、そのようにバラバラでありながらも同じ方向を向ける余裕と寛容さがある関係性を保てる集団です。
関係は更新され続け、いつも不安で脆弱で常に途中、過程にあり魅力に溢れている。思考の膠着と常識固定化に打ち勝つ力の源は、恐怖と愛と創造力でしょう。
島地保武
演出・振付・出演:島地保武
リハーサルディレクター・出演:貝ヶ石奈美
出演:青柳潤、織田若菜、木ノ内乃々、鈴木大翔、畠中真濃、藤村港平、星野めいや、堀川七菜、山口泰侑、Liel Fibak
音楽:岡直人
衣裳:ひびのこづえ
プロデュース:唐津絵理(愛知県芸術劇場/Dance Base Yokohama)
プロダクションマネージャー:世古口善徳(愛知県芸術劇場)
舞台監督:川上大二郎(スケラボ)
舞台監督助手:小黒亜衣子
照明デザイン:櫛田晃代
音響デザイン:中原楽
初演: 2024年11月(愛知県芸術劇場)*「間(あいだ)の時間」にて
企画・共同製作: 愛知県芸術劇場、Dance Base Yokohama
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◆PERFORMANCE
・11月 愛知県芸術劇場 小ホール(愛知)「間(あいだ)の時間」*初演
・12月 KAAT 神奈川芸術劇場〈ホール〉(神奈川)YPAM連携プログラム
◆INTERVIEW
紙背 愛知県芸術劇場×Dance Base Yokohama「パフォーミングアーツ・セレクション」|島地保武 『Dance for Pleasure』インタビュー
◆REVIEW
Chacott(香月圭)テクストを用い身体表現の可能性を多角的に探求する、愛知県芸術劇場xDance Base Yokohama パフォーミングアーツ・セレクション2024(PAS2024 神奈川公演)