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Dance Base Yokohama

Dance Base Yokohama

OpenLab DaBY Round Table Talk vol.2 柿崎麻莉子× 島崎麻美 × 唐津絵理 育児と創作環境(1)

2024/3/2(土)

OpenLab DaBY Round Table Talk
OpenLabは、Dance Base Yokohama(DaBY)が2020年6月にオープンして以来続けている誰もが参加できるプログラム。Round Table Talkは、フェアクリエイション宣言を通じて、持続可能なダンス環境について多角的に考えるトークシリーズです。スタッフをはじめ、アーティスト、観客の方々と一緒にこれまでの知見や課題意識を共有し、充実した創作環境がどのように作られていくかを考えていきます。


vol.2 育児と創作環境

DaBYでは、育児をしながら創作活動や制作業務に取り組む人が少なくありません。育児をしながら活動を続けたいと思った時に活動しやすい環境、受け入れられていると感じる環境はどのように作られるのか。あらゆる人に開かれ、自身の力や経験を最大限に発揮できる環境について、育児の観点からお話しました。

 

登壇者:柿崎麻莉子、島崎麻美、唐津絵理
ファシリテーター:東海千尋、神村結花

 

出産時・育児を始めた時の周囲の環境

東海:今回は、ご登壇の皆さまにお子さまがいらっしゃいますが、キャリアもお子さまのご年齢も様々です。妊娠・出産から時系列にお話を伺いたいと思っております。まず島崎麻美さんは、カンパニー5年目で、まだ在籍していらっしゃる時に妊娠されたということですが、その時は日本に帰ることは全く考えず、そのまま出産しようと思ったのですか?

島崎:22歳からカンパニーにいて、27、28歳になった時にシャロン・エイアールさんが妊娠出産したところを見ていて。その時に皆「できるんだ」みたいな。彼女はリーダー的な存在だったので、参考になったというか、シャロンが子どもを生むことによって、そのようなオプションができました。その後、私や稲尾芳文さん、他にも何人かが子どもを持って、ベビーブームのようになりました。皆、産んでからも続けていたし、辞めて家に帰らなければいけない雰囲気ではなかったので、安心して妊娠出産できましたね。

東海:少し上の世代だったら出産している方は少なかったのですか?

島崎:そうですね。その前は出産して続ける人はあまりいなかったですね。

東海:実際に出産されて、周りの環境やサポート、社会的な産育・育休制度はいかがでしたか?

島崎:すごく助かったのは、産休を1年間もらえて。スポーツ選手やダンサーは1年、オフィスの仕事だと3ヶ月なので、その違いが大きかったです。1年間じっくり育児ができたことはすごく助かりました。もしフリーランスだったらどうなのかな、ちょっと違うのかもしれないです。

東海:企業より長いのが意外です。

島崎:やはり身体を使う仕事なので、身体的にきつい。身体を戻すのに時間がかかるということもあるんだと思います。

東海:1年経ってカンパニーに戻る時は、カンパニーからのサポートはありましたか?

島崎:カンパニーに籍は置いておいてもらえて、1年の間だったらいつでも戻っていいよという感じですね。

 

 

東海:なるほど、ありがとうございます。同じくダンサーの柿崎麻莉子さんは日本で出産されましたが、ちょうど退団されて戻ってくるタイミングと重なったのですか?

柿崎:当時シャロンのダンスカンパニーにいたのですが、私は日本の生活が好きなので、既に仕事を半分ぐらいに減らして、1年の半分は日本にいるようにしていました。子どもができてからも、シャロンをはじめ皆、「そのまま子どもを連れてツアーに来ればいいじゃない!」と言ってくれましたが、実際生まれてみると結構大変で。それは難しいことが分かりました。ただ、カンパニーの作品を他カンパニーで海外上演する時に、アシスタントとして娘も一緒に行ったりすることはあります。

東海:日本で出産となると、産休育休のようなサポートがなかったかもしれないですが、実際お子さんが生まれて大変でしたか?カンパニーにいればよかったなと思ったことはありましたか?

柿崎:カンパニーにいればよかったと思ったことは1度もなくて。でも仕事の予定って、1年以上前から決まっていることも多いので、妊娠する前からいくつか仕事が決まっていました。私はお腹が大きくなってからも、出産2ヶ月前まで踊り続けていて。その選択をできたのも、それこそ前例があったからで、シャロンが「お腹が大きくてもその時にしか踊れない踊りがあるし、身体を大きく動かすことだけがダンスじゃないから、お腹が大きくても絶対に踊った方がいいよ。」と言ってくれて。「私もそうしていたし。」と言ってくれるので、ついそのつもりになって、色々スケジュールを入れてしまっていて。実際にディレクターやプロデューサーなどと話をすると、もちろん理解はあるし、応援したいという気持ちはあるんだけど、もっと大きなお金を出しているところの問題で、出演ができなくなったり、断られたこともありました。一方で、妊娠した身体を大切に、ケアしながら作品を一緒に作ってくれた場所もありました。日本では、妊婦に対して様々な扱い方をする場面が存在するんだな、ということがよく分かった9ヶ月でした。

 

 

東海:実際に踊られて、もちろん身体の変化も起きていて当然たくさんは動けない中で、気づきはありましたか?

柿崎:身体の中が毎日変わっていくので、身体の痛みも昨日はここにあったのに今日はこの辺が痛いということや、踊っている最中も、いつも同じ音楽のポイントでお腹の娘が一緒にリアクションしたり。身体的に重心が低くなるので、ターンが回りやすくなったり、身体的な変化は色々とありました。

東海:その時だけの貴重な経験ですね。

柿崎:本当に。今日、トークがあるから思い出そうと思って日記などを読み返してきました。たったの2、3年しか経っていないのに忘れてしまうんです。仕事を断られてめちゃくちゃ怒っていたことも、もうすっかり忘れていて。誰のせいであんな大変なことになったんだっけ、という感じで今日復習してきたのですが、面白かったです。

 

育児休暇・産休の制度の変化

東海:少し前のことかもしれないですが、唐津さんも妊娠中ギリギリまで働かれていたと聞いたことがあります。

唐津:私は2人子どもがいるんですけれども、27歳と23歳なので、少し前どころか、もう分からないくらい前の話で。お腹が大きい時はそれよりさらに1年前なので、はるか昔の記憶なのですが、私の時は本当に前例がなかったです。日本で、私よりも年上で、劇場に勤めていて、結婚していて、子どもがいる人は多分いないと思うくらい、ほとんどの女性プロデューサーは独身でした。夜が遅くなる仕事なので、パートナーとの関係がうまくいかないことが多くて。他の国では分からないですが、日本の場合は、女性が家の中にいて、家族のケア、家事をするということが当たり前だったので、そういった中で続けていく悩みは本当にたくさんありました。

制度もそうです。今でこそ、育児休暇や産休が整ってきているけれど、27年前と23年前が結構違います。27年前は制度がまだまだ整っていなくて。今は希望があれば(私と同じ)公務員は3年間休めますが、それもなかった時代で、育児休暇も本当に短くて。今は育児中もお迎えのために早く帰ることができたり、とても細やかな制度ができていますが、当時はほぼなかった。あと今は、つわりはきちんと必要な休みとして、申請すれば休みが取れるようになっていますが、当時つわりは病気扱いだったんですよね。実は1人目の時は特につわりがきつくて、生まれる日までもどしていた生活だったんですけれども、専門職として劇場に勤めていたということもあって、辞めてしまうと代わりがすぐに見つからないんです。ですから、私がいなくなるとそのポジション自体がなくなる可能性があったので、這ってでも行くみたいな状態でした。

 

 

だから、1人目は本当に苦労したんですけれども、とにかく続けるしかない。その状況を見ている周りの人たちから、「やめた方がいいんじゃない」と連絡が来るようなこともあって。もちろん私の体を心配するということもありますけど、「そこまであなたが働く理由はあるの?結婚して、子どもも産んで、それで十分じゃない、女の幸せは。」という言い方をする人たちも結構多かったんですよね。だから、働き続けることを考える前に、ここで辞めてたまるか!と、辞めないために頑張ったことが最初の状況でした。

先程お話したみたいに、4年後にもう1人生まれるんですけれども、この時は相当緩和されていて、長くお休みを取れるようになったりしていたので、少し楽になりました。他にもたくさんありますが、苦しみ話よりも、その後の良い話の方がいいかなと思うので、とりあえずここまでで。

島崎:私は、出産1年後にカンパニーに戻って、それから5年続けたんですけれども、お母さん用の時間割のようなものを作ってもらっていて。お母さんたちは少し遅刻ができるのと、保育園や幼稚園に迎えに行きやすい午後3時頃に終わらせてもらうことができました。あとは、ツアーを大きく減らしてもらいました。最後の年はすごく怪我人が出たので、ツアーにもたくさん出なければならなかったんですけれども、基本的には主に国内の公演に出る形でした。

東海:お子さんは保育園に預けていたのですか?

島崎:そうですね。1歳から保育園と幼稚園に行っていました。

東海:お子さんが熱を出したときはリハーサルを抜けられたりはしましたか?

島崎:理解があって、子どもが風邪をひいたら休んだ方がいいということがありました。

東海:唐津さんはいかがでしたか?お子さんが小さい頃、保育園で熱が出て、みたいなことがあったと思いますが。

唐津:私は、夫の母親と同居だったので、それがすごく大きかったです。ただ、夫とも年が離れていて、お義母さんも最初に会った時から80歳くらいで、子どもの面倒を見てもらうことがとても大変だったので、私のお給料はほとんどダブル保育の託児費になっていました。1歳で保育園に入れることはできたんですが、預けられるのが15時までだったんです。15時から最大19時まで延長してくれるんですけれど、15時にみんなが帰った後に数人残って、どんどんお迎えが来て人が減っていって。最後の19時までに残ってるのは1人か2人というような。私はその時間にも迎えに行けないので、おばあちゃんか、あるいはヘルパーさんにお願いして、お迎えしてもらって続けられました。

東海:それこそ公演があったりしたら、19時だと終わらないですよね。

唐津:基本的に18時くらいまではやることがありますし、通勤にも1時間以上かけていたので、時間にたどり着かなくて。そういう意味では、1歳くらいからずっと1人で待っていたり、寂しい思いをさせましたよね。

 

モデルを作る必要性

島崎:前例がなかったとおっしゃっていましたが、その前例を作ったのが唐津さんで、その後に産みやすくなった人たちは?

唐津:いたと思います。唐津は旧姓なんですけれど、(公務員として)愛知県で初めての旧姓使用なんです。絶対名字を変えなくてはいけなかった時代に、当時4つくらいの県が旧姓使用を認めていたんです。だから愛知県にお願いをして、なんとか旧姓使用ができるようになりました。子どもを産んでから働き続ける部分に関しては、一緒に働いていた人が続けて3人子どもを産みました。

柿崎:そうなんだよ、こうなるの(笑)! 前例がいるとその後がポコポコ生まれるの(笑)。娘が6ヶ月ぐらいの時にDaBYで仕事をさせてもらって。そしたらDaBYの周りも生まれましたもんね。

 

 

唐津:確かに。ベビーラッシュがきている。公演を観に行くのも、仕方がないから子どもを連れていったりするわけですよ。嫌な顔をする人もたくさんいる中で、自分が逆の立場になった時にウェルカムな状態でいたいなって。それが今のDaBYの、子どもがいる人でも来てもらえる環境を作りたいということに繋がっています。

柿崎:唐津さんが27年前に子どもを産んでくれてよかったと思っています。おかげで、私は子どもが生まれてからもダンスの活動を続けられています。出産後、最初に仕事をしたのはDaBYだったのですが、まだ子どもが半年くらいの時に連絡をもらって、「まだ子どもは小さいし、お乳もあげなくてはいけないし、ひょろひょろしてるし、どうですかね…」と聞いたら、「いいよ、DaBYの皆で見るから」と言ってくれて。本当に皆が、泣き始めたら順番に抱っこして、廊下を歩いて、あやしておやつあげてみたいなね。

唐津:スタッフがどう思ってるかは分からないですけどね(笑)。

柿崎:本当にありがたくて。ありがとうございます。

唐津:モデルを作っていく必要は絶対あると思っていて。生きにくさを感じている人はたくさんいると思うんです。「仕方がない」で諦めてしまっているところを、どうやって乗り越えていくかというか。一つ起爆剤があると、様々な声が上がってくるので、その一声をあげられる場所が絶対に必要だと思っています。

制度ができてきてはいるけど、未だに妊婦さんが仕事をするハードルはとても高いし、子どもが産まれた後、どう見ていくのかというところも、母親だけに押し付ける体質はやはりあまり変わってないですね。そこは少しでもDaBYで何か提案をしていければいいなと思っています。

 

OpenLab DaBY Round Table Talk vol.2 育児と創作環境(2)に続く。

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