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Dance Base Yokohama

Dance Base Yokohama

Dance Base Yokohama 1階オープニング記念クロストーク|2025年8月23日

“ダンスをひらく” これからのステップ

地域とともに描く未来 〈前編〉

2026/6/25(木)

本ページ写真すべて©︎Hajime Kato

2020年、舞台芸術にとって最も困難な時期に「ダンスを社会にひらく」ことを掲げて始動したDance Base Yokohama(DaBY)。5周年を機に新たに1階のスペースをオープンしたDaBYが、舞踊評論・コンサートホール・民間助成という異なる立場のゲストを招き、これからのダンスと社会の関係を語り合った。前編では、登壇者それぞれの現在地と、コロナ禍を経て変わりつつあるアーティストの意識を中心にお届けする。

登壇者(敬称略)
[スピーカー] 新井鷗子(横浜みなとみらいホール館長/東京藝術大学客員教授〈インクルーシブアーツ研究〉)
      久野敦子(公益財団法人セゾン文化財団 常務理事)
      唐津絵理(Dance Base Yokohama/愛知県芸術劇場 アーティスティックディレクター)
[ファシリテーター]岡見さえ(舞踊評論家/共立女子大学教授)

ひらかれた場所で、ダンスの未来を語る

 



岡見さえ
 皆さま、今日は暑い中お運びくださりありがとうございます。このクロストークは、劇場のパフォーミングアーツ関係者に加え、観客・地域の皆さまにも公開トークという形で開催いたします。DaBYの5年間の振り返りも踏まえつつ、テーマとしている「ダンスをひらく」ということの意義、そしてこの先に続いていく未来とクリエイションについて語っていければと思っています。

DaBYは2020年にスタートしました。この5年間は、舞台芸術の世界、劇場、観客、そしてそれを取り巻く社会が、コロナ禍・試練を乗り越えた先で、新しい舞台芸術の創造の形を模索し、反映させた5年間とも重なると思います。本日の登壇者は、劇場、民間の支援者である財団、そして観客や作品をつなぐ評論・教育といった実践の場にいらっしゃる方々です。それぞれの立場を超えて、今日ここにいるオーディエンスの皆さまと一緒に、さまざまな視点からダンスについて考え、想像し、未来をつくっていく機会になれば幸いです。

ダンスの「拠点」を、この国につくるということ

唐津絵理|Dance Base Yokohama


唐津絵理
 改めまして、Dance Base Yokohamaのアーティスティックディレクターをしております唐津です。私は現在も、名古屋市にある公立文化施設、愛知県芸術劇場に勤務しており、30年以上にわたりダンスのプロデューサーとして活動してきました。その長い活動のなかで、日本の舞台芸術を取り巻く環境には多くの課題があり、それを目の当たりにしながらも、自分ひとりでは何も変えられないというジレンマを抱いてきました。そうした経験から、「いつか日本にも、創作活動ができるダンスの拠点となるダンスハウスをつくれないだろうか」と、10年ほど前から漠然と考えるようになりました。もちろん、それを個人の力で実現することは難しく、日本の文化政策や助成制度のなかで実現することも容易ではありません。ある意味では、半ば諦めに近い気持ちもありました。
 その大きな理由の一つは、日本には数多くの文化施設が存在するにもかかわらず、1990年代以降の「劇場ラッシュ」によって整備された施設の多くが、実態としては貸館や興行的な公演のための場になっていることです。作品を創作する場所、アーティストが継続的に活動できる場所は、決して多くありません。私自身もダンスを学び、作品をつくったり踊ったりしたいと思っていた時期がありましたので、アーティストの立場に立って考える機会もありました。日本のどこに作品を創造する場所があるのか、アーティストはどこで活動できるのか。その問いをずっと抱え続けてきたのです。そうした問題意識から、海外のダンスハウスをモデルにしつつも、日本の舞台芸術環境に合うかたちで考案して、実現したのがDance Base Yokohamaです。セガサミーホールディングスがセガサミー文化芸術財団を立ち上げるにあたって、民間企業が運営するダンスハウスを創設することになりました。
 日本では、ダンスは美術や音楽と比べてもまだ十分に身近な存在とは言えません。そのため、まずはダンスを知っていただくこと、つまり「ダンスをひらく」ことが必要だと考えました。自分たちがつくりたい作品を発表するだけではなく、こちらから社会に向けて開き、人々に来てもらえる環境をつくることが大切だと考え、「ダンスを拓く」をミッションとして活動をスタートしました。
これまでさまざまな取り組みを行ってきましたが、当初は3階のスタジオ一つしかスペースがありませんでした。また、ダンスハウスは基本的にレジデンス機能を持つ場所です。アーティストが滞在し、創作し、発表することが前提となっています。そのため、どれだけオープンなリハーサルを行い、「いつでも見に来てください」と呼びかけても、実際に多くの方にこの場に足を運んでいただくことは簡単ではありませんでした。

 そうした経験を通して、もう少し市民の視点に立ちながら、あるいはアーティストの側から社会に向けて積極的にアクションを起こす必要があるのではないかと考えるようになりました。そして、「もう一つスペースがあれば新しい展開ができるのではないか」と相談を重ねた結果、1階にも活動拠点を増やすことになりました。

 ダンスをめぐる課題、そして舞台芸術をめぐる課題は本当に数多くあります。これまでにできたこと、できなかったこと、一つひとつを検証しながら、この場所を使って今後どのように市民との関係を築いていくことができるのか。今日はそのことを皆さまと一緒に考える機会にしたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

「社会の今とつながる」コンサートホールの挑戦

新井鷗子|横浜みなとみらいホール



新井鷗子
 皆さん、こんにちは。横浜みなとみらいホール館長の新井鷗子と申します。Dance Base Yokohamaさんとの関わりは、私が数年前に企業メセナ協議会の審査員をしていた時に、企業メセナ大賞をこちらの団体が受賞され、そこから唐津さんと仲良くなっていったことがきっかけです。横浜みなとみらいホールは、横浜市で唯一のクラシック音楽専門のコンサートホールです。ロビーから海を見渡せる、その美しい景観と音楽が売りになっているホールです。
 私が掲げている事業コンセプトは、「社会の今とつながるコンサートホール」です。質の高い音楽を提供することはもちろんですが、音楽によって社会課題の解決につながること、さらにそれによってホールに経済的な利益がもたらされる、そういった仕組みが作れないかということを日々模索しています。私自身、東京藝術大学でインクルーシブアーツ、社会包摂的なアートの研究に携わり、芸術を通して障害のある方、世代・国籍を問わずさまざまな方が社会に参加できる仕組みづくり、まちづくりのあり方を研究しています。
 代表的なものを二つご紹介します。一つは、AI技術を活用した「だれでもピアノ」です。人間が弾くメロディーに合わせて自動で伴奏とペダルがついてくるピアノで、音楽支援学校の子どもたちの音楽教育や、高齢者を対象にした継続的なレッスンなどを行っています。65歳以上の方々を対象に、ピアノを継続的にレッスンしていくことによって、心と身体がどう変化するか医学大学と連携して科学的なエビデンスを蓄積しています。
 二つ目は「中学生プロデューサープロジェクト」です。5月5日のこどもの日のコンサート(有料公演)で、2000席のホールを埋める2回の公演を、中学生プロデューサーたちにすべてプロデュースしてもらうプロジェクトです。約1年かけて、公募で集まった中学生20名が、制作、企画、構成、運営方法、当日のレセプション、そして収支表まで書いて、プロの制作スタッフからノウハウを学びながらコンサートをつくります。若い世代のお客様が爆発的に増えただけではなく、中学生たちが頑張る姿を見て大人のスタッフが学び、自分の仕事を見直す機会にもなるという循環が生まれています。
 こうした取り組みの中で課題として感じるのは、社会包摂(インクルーシブ)と芸術的な質の高さ、芸術性の両立が難しいという点です。今日はその辺もお話しできたらと思っています。

 

結果ではなく「プロセス」を支える

久野敦子|セゾン文化財団


久野敦子
 セゾン文化財団という民間の助成財団に勤めております、久野敦子と申します。5周年おめでとうございます。セゾン文化財団は1987年に堤清二という実業家・文学者・アートコレクターが設立した民間の助成財団です。文化芸術の支援を通して、新しい価値の創造や人々との相互交流の促進をミッションに助成活動をしています。現在の対象事業は現代演劇と現代舞踊です。若手から中堅のアーティストの芸術活動を中長期にわたって支援するプログラム、国際交流、アーティスト・イン・レジデンス、創造環境整備のための資金提供などを行っており、東京・江東区森下に稽古場を持っています。
 長く助成活動をしていて私たちが大事だと思っているのは、作品という結果だけを支援するのではなく、そこに至るまでのプロセスを支援することです。DaBYの説明を伺い、共通するところが多いと思いました。DaBYも時間と場所を提供することで、アーティストの方のリサーチや、いろんな試行錯誤、作品を売っていくまでのプロセスを支援するというところがセゾン文化財団と共鳴するところだなと思いました。
 いま舞台芸術をめぐる環境は問い直されている時代だと感じています。特に、生の身体を見せることはどういうあり方であるべきなのか。その問いは、結局、ダンスが社会とどうつながっていくのか、というのも問われていて、それを深く考えるいいタイミングだなと感じています。ダンスって何だろうと考えていたんですけれども、今、世界や社会の中でさまざまなことが起きていて、痛みや喜びがあります。まずそれを受け取るのが身体だと私は感じています。その身体に刻まれ、受け取った情報をどう見せ、表現として出していくものがダンスなのだと考えています。ダンスは社会の中ですごく重要なメディアであり、そこにその存在意義があると思います。
 また、1階のスタジオをオープンするにあたって「対話」「つながる」「集まる」という三つのテーマを掲げていましたが、これも大事だと思っています。どれだけ素晴らしい活動をしていても、一人ではできない、それならいろんな人を巻き込んで行った方が良い。アーティスト、技術者、プロデューサー、制作者、行政、私たちのような仲介支援団体、劇場、そして観客の皆さんが集まり、対話を繰り返して課題が見つかり、乗り越えるべきことが見つかり、一緒に未来を描いていく場が重要だと思っています。
 セゾン文化財団の助成事業を行う本部はこの9月に、稽古場のある森下スタジオへ移転します。現場と資金助成が同じ屋根の下に入ることで、双方の噛み合った支援策を展開できないかなと考えています。もう一つの大きな課題は「地域とのつながり」です。移転先が下町ということもあり、ご近所付き合いの大切さを改めて認識し、どのようにつながっていくか検討しているところです。民間の拠点として、誰に、どこに、どうやって照準を当てていくのかというのが大きな課題で、今日は実はヒントをもらって帰れたらと思っています。

質を担保しながら、どう「ひらく」か


岡見さえ
 それぞれ現状と課題をお話しいただきました。たくさんの問題と複雑な可能性があると思います。ここからいくつかテーマを設定しながら進めていければと思います。ダンスは分かりづらいというお話もありましたが、バレエからコンテンポラリー、ストリートダンスなど非常に身近にありながら、お金を支払って劇場に行きづらい、アートとして捉えづらいと思われることもあると個人的に考えています。
 質の担保と、広げていくこと。この点について、クラシック、DaBY、助成する立場から、どのようにつなげていける可能性があると思われますか。

新井鷗子 今回「ダンスをひらく」というワードが出ていましたが、クラシック音楽はそもそも密室で楽しむもので、むしろ開かれた場所で楽しんではいけないもの、という捉えられ方があると思います。純粋芸術で、音響の良い空間で、誰もが静かに聴く、そういうイメージです。どうしても一般の方には敷居が高いと捉えられてしまうことが多いです。
 ただ段階があって、すごくパーソナルな状況で自分と作品の間だけで成立する質の高い芸術もあれば、だんだん降りていって、みんなで手拍子をしたりして楽しむ芸術もある。そういった段階をつけていくというのが、うちのホールの方法として考えていることです。インクルーシブと芸術の質の高さを考える時に、考える順番を変えてみようということで、まず「みんなが楽しめるもの」ではなく、「この人が楽しめるもの」をつくろうということで、一人に絞ります。例えば重度の障害のある方、重度の難聴の方など、まず一人が楽しめるものをつくり、それを二人、三人、十人と広げていく。そういう順番をコンテンツをつくる時は考えています。

唐津絵理 Dance Base Yokohamaでは若いアーティストたちと新しい作品を創作する一方で、海外作品の招聘も行っています。これは、先ほど話題に上がっていた「クオリティの担保」という観点からも重要な取り組みだと考えています。コンテンポラリーダンスを突き詰めていった先に、こうした作品が存在するのだということを実際に観ていただくことで、「コンテンポラリーは分かりにくい」「何をやっているのか分からない」「一部の人たちだけのものだ」といったイメージを少しずつ覆していきたいという思いがあります。また若いアーティストたちには、世界最高峰とされている舞台を、リアルに観る機会を提供したいと考えてスタートしました。
 本来であれば、ダンスハウスは必ずしも招聘公演を行う必要はないのかもしれません。むしろ地域との関係づくりや、市民との接点を育むことが中心であるべきだとも思っています。しかし現状の日本では、「コンテンポラリーダンスの高いクオリティとは何か」「それを観たいと思ったときに、どこへ行けば出会えるのか」という問いに対して、明確に答えられる環境が十分に整っているとは言えません。ダンスハウスであるDance Base Yokohamaが招聘事業を担うことは決して小さな負担ではありません。本来であれば、私たちがその役割を担わなくてもすむ環境になってほしいと思っています。しかし一方で、一定のクオリティが担保された作品を国内で観れる環境が存在し、それと同時に多様な表現が成立できて、それぞれが楽しさや意義、新しい発見をもたらす作品として共存している状況も非常に重要だと考えています。
 もう一つ、私が日本における課題として以前から感じていることがあります。それは、敷居が低く開かれている「参加する体験」と、プロの作品を「鑑賞する体験」の境界が曖昧になりやすいということです。従来から、民俗舞踊やコミュニティダンスのように、人々が参加して楽しむ踊りの文化があります。しかしそれらは必ずしも舞台作品として鑑賞することを目的としているわけではありません。一方、日本にはダンス教室やバレエ教室で学ぶ人たちが発表会という形で舞台に立ち、それを家族や友人が観に行くという独自の文化があります。もちろん、普段の稽古の成果を見る発表会の場は、家族などにとっては非常に大切です。ただ、それらとプロフェッショナルな舞台芸術との違いが十分に共有されないまま、それらすべてが同じ「ダンス公演」として受け取られてしまうと、少し話が複雑になります。本来は目的も成り立ちも異なるものだからです。その背景には、鑑賞教育が十分に行われてこなかったという問題もあるように思います。鑑賞者の側に、作品の目的や位置づけを読み解くための共通認識がまだ十分に育っていないのです。
 だからこそ、一般の参加型の作品をつくる際には、それが誰に向けられたものなのか、どのような目的で行われるのかを、つくり手自身が明確に意識する必要があります。家族や友人に向けたものなのか、地域コミュニティとの関係づくりなのか、それとも芸術作品として社会に問いを投げかけるものなのか。その違いを整理しながら取り組まないと、「参加型の品」と「プロフェッショナルな舞台作品」が同じ尺度で語られ、結果としてお互いの価値が見えにくくなってしまうことがあります。今後さらに多様な人々と関わりながら活動を広げていきたいと考えていますが、そのためにも、どのような関わり方が望ましいのか、どのような枠組みをつくるべきなのかを、これからも丁寧に考えていきたいと思っています。

コロナ禍が変えた、アーティストの意識


久野敦子
 私は支援団体にいるので、つくり手たちの支援というところで考えることがいろいろあります。若手から中堅を支援していて、今の若手の人たちは、前の世代が考えていたような「大きな劇場でたくさんのお客さんの前で作品をつくり、ツアーをする」という夢に、リアリティを持っていないと感じることがよくあります。
 その一方で、誰とコミュニケートしていくのかを細やかに考えていて、地域の民俗舞踊の継承者の方たちの中にぽんと入って活動して、作品に歴史や民俗的な伝承を盛り込んだりする。映像もつくる、音楽もつくる、演劇の人ともやるなど、アウトプットの選択の幅が広くなっていると感じます。見せる場所も必ずしも劇場にこだわっていないとすごく感じます。むしろ違うところで面白い発表の機会を見つけてくる才能の方が勝ってきているような感覚を受けています。

岡見さえ それはやはりコロナ前後で変わったと思いますか。いつ頃から、小さな劇場からだんだん大きな劇場を目指すというモデルが変わってきたのを感じましたか。

久野敦子 やはりコロナの影響は大きかったと思います。会えない時間が長かったけれど、人とつながっていきたいというアーティストのもつ欲望から、いろんなツールを使って作品をつくる技術を獲得したような気がします。気軽に配信し、舞台で上演した後に観客との対話の場がない中でも自分たちでアーティストトークのような場をオンラインで設置したり、批評の場を自分で発信したり、といったことも出てきました。

唐津絵理 Dance Base Yokohamaがオープンしたのは、ちょうどコロナ禍の時期でした。当初予定していた企画の多くが中止となり、海外からアーティストを招聘することもできなくなってしまいました。本来であれば、オープニングに向けてさまざまな国際的なプロジェクトを展開する予定でしたが、その前提そのものが大きく揺らぐことになりました。そのような状況のなかで実施したのが、「Happy BirthDaBY」というプロジェクトです。世界中のダンスアーティストたちに5秒ほどの短い映像を送っていただき、それらをつなぎ合わせて映像を制作しました。直接集まることはできなくても、世界中のアーティストとつながり続けるための試みでした。
 また、当時ニューヨークに滞在していた山崎広太さんとオーディションで集まったダンサー等とで新作を創作する予定もありましたが、来日が不可能になったため、計画を大きく変更せざるを得ませんでした。その結果、手紙やインタビューのやり取りを重ねながら、言葉による指示をもとに展示とパフォーマンスを織り交ぜた『ダンステレポーテーション』を立ち上げました。
 こうした経験を通して、私たちの身体やダンスの捉え方にも変化が生まれました。それまで舞台芸術は、同じ空間で身体を共有しながらライブで体験することが前提でしたが、コロナ禍をきっかけに、身体表現やコミュニケーションのあり方にはそれ以外のアプローチもあるのではないか、と考えるようになりました。結果として、Dance Base Yokohamaにとってコロナ禍は大きな制約であった一方で、身体表現や創作の可能性を改めて問い直す機会にもなったと思っています。


岡見さえ 音楽はいかがでしょうか。

新井鷗子 
音楽の世界でも、YouTuberピアニスト、YouTuberバイオリニストなど、クラシック系のアーティストがそういったメディアを扱うことが多くはなかったんですけれども、コロナを経てYouTubeを通して自分をアピールし、社会と繋がっていくというのが大きくクローズアップされるようになりました。クラシック音楽の世界では、いかに上手く弾くか以外に関心がなく、社会とつながる、社会貢献、音楽で社会課題を解決するといった意識が元々なかったんですけれども、コロナを経て、自分たちがつくっているアートをいかに社会の中に生かしていくか、という意識が強くなったというのは、いま肌で感じます。

 

〈後編へ続く〉 後編では、ジャンルの壁を越えてダンスにひらかれていく動き、作品と観客をつなぐ「仲介者」の必要性、そして1階の新しいスペースで始まる地域とのプログラムについてお届けします。

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