BLACK ROOM
今回の2作品は、タイトルの中に「黒」という共通項を含んでいます。
「黒」という言葉は貴方に何を思い起こさせますか?
私は、この言葉をきっかけとして実に様々なことを連想します。 喪、儀式、悪、夜、夢、エクスタシー、タブー、通過儀礼、死、闇、光、再生 と際限なくイメージが繋がって行きます。そしてまた、それらの一つ一 つの言葉からも別の流れの連想が沸き起こります。一つの言葉から様々に枝分かれをし、大きな樹の様な様相を顕してきます。あるものは天を目指し明快な理性に照らされ輝き、また他のものは暗い地下で互いに絡 み合いつつ無意識の領域の混沌から養分を吸い上げます。
この様に言葉が連鎖的に繋がっていく過程を手繰って行くと、自分の中にはこれまでの人生において、様々な理由から呑み込まれたまま意識の中で石の様に凝固し、時として悔恨の種となっている言葉たちがあるのを認めないわけにはいきません。その様な言葉を内に秘めているのは私だけでしょうか?
私にとっての「黒い部屋」とは、それらの「発されることのないままに葬られた言葉達」の墓場です。そしてその墓は、また同時にそれらの言葉を記憶する何者かが宿る胎である様に思います。
その何者とは一体誰なのでしょう。
中村恩恵
振付・出演: 中村恩恵
音楽: ディルク・ハウブリッヒ
衣裳: 串野真也
テキスト提供協力: 安藤洋子、酒井はな、島地保武 、串野真也、四家卯大、木ノ内乃々、唐津絵理、世古口善徳、伊藤雅一、牛川紀政、小黒亜衣子、宮久保真紀
プロデュース: 唐津絵理 (愛知県芸術劇場 /Dance Base Yokohama)
プロダクションマネージャー: 世古口善徳 (愛知県芸術劇場)
照明デザイン: 伊藤雅一(RYU)
音響デザイン: 牛川紀政
制作: 宮久保真紀 (Dance New Air)、田中希 (Dance Base Yokohama)
初演: 2021年10月(愛知県芸術劇場) *「ダンスの系譜学」にて
企画制作: Dance Base Yokohama
共同製作: Dance Base Yokohama、愛知県芸術劇場
『BLACK ROOM』
『BLACK ROOM』
*本作は、『BLACKBIRD』よりソロと続けて上演します。
『BLACKBIRD』よりソロ
振付・舞台・衣裳・照明コンセプト: イリ・キリアン
出演: 中村恩恵
音楽: ジョージアの伝統的な音楽
衣裳デザイン: ヨーク・フィッサー
初演: 2001年(彩の国さいたま芸術劇場[埼玉、日本])、2001年(オランダ・ダンス・フェスティバル[ハーグ、オランダ])
『BLACKBIRD』よりソロ
◆PERFORMANCE
2023年 パフォーミングアーツ・セレクション2023
・9月 高槻城公園芸術文化劇場 大スタジオ(大阪)
・9月 高崎芸術劇場 スタジオシアター(群馬)
2022年 パフォーミングアーツ・セレクション2022
・9月 高知県立美術館ホール(高知)
・10月 いわき芸術文化交流館アリオス 中劇場(福島)
・10月 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場(新潟)
・11月 熊本県立劇場 演劇ホール(熊本)
・12月 山口情報芸術センター スタジオA(山口)
2021年12月 DaBYパフォーミングアーツ・セレクション /KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ(神奈川)
2021年10月 TRIAD DANCE PROJECT「ダンスの系譜学」 /愛知県芸術劇場 小ホール(愛知)*初演
◆REVIEW
太田充胤 (DaBYパフォーミングアーツセレクション2021)
渋革まろん (DaBYパフォーミングアーツセレクション2021)
國吉和子 (DaBYパフォーミングアーツセレクション2021)
岡見さえ (ダンスの系譜学)