Proxy
私は幽霊という存在に強く心を惹かれます。怪談話や幽霊画の中の幽霊たちが、うらみつらみを一切の忖度なくぶちまけるその様に、憧れに似た感情を抱くのです。
もしかすると、昔の人々にとって幽霊というのは匿名性を獲得するための装置、現代における仮想世界のアバターのようなものとして機能していたのではないでしょうか。心の中に沈澱してしまった感情や言葉を、幽霊という存在に代弁させることによって、匿名の叫びとして解き放っていたと考えることもできます。
一方、我々が生きる現代は身体が実体を失い、幽霊化する時代だと感じています。では、自身の身体の代理となる存在による表現の方がより自分らしくあれるのであるとすれば、現実世界に存在する我々のこの身体は何のために存在するのでしょうか?
『Proxy』は私たちダンサーという生身の身体を使った表現者たちの、身体によるステイトメントです。
鈴木竜
演出・振付: 鈴木竜 (Dance Base Yokohama)
出演: 伊藤琴葉、杉浦ゆら、鈴木大翔、副島日毬、松山源樹、山田怜央
音楽:フランク・ブレットシュナイダー、ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ
音楽編集: 岡直人
人形デザイン・製作: オデット・ピコ
照明デザイン: 武部瑠人
衣裳: 菅井一輝
リハーサルディレクター: 浅井信好
[初演時]ドラマトゥルク: 丹羽青人 (Dance Base Yokohama)
プロデュース: 唐津絵理 (愛知県芸術劇場 / Dance Base Yokohama)
プロダクションマネージャー : 世古口善徳 (愛知県芸術劇場)
照明コーディネート: 伊藤雅一 (RYU)
音響デザイン: 牛川紀政
制作: 田中希 (Dance Base Yokohama)
初演: 2021年12月(愛知県芸術劇場)*「鈴木竜トリプルビル」にて
企画制作: Dance Base Yokohama
共同製作: Dance Base Yokohama、愛知県芸術劇場
◆PERFORMANCE
2022年4月欧州文化首都リトアニア2022 /AURA Dance Theatre(リトアニア) ※リトアニアのダンスカンパニーAURAに改訂版『Esybė』を委嘱。
2021年12月 DaBYパフォーミングアーツ・セレクション /KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ(神奈川)
2021年10月 鈴木竜トリプルビル /愛知県芸術劇場 小ホール(愛知)*初演
◆REVIEW
太田充胤 (DaBYパフォーミングアーツセレクション2021)
岡見さえ (鈴木竜トリプルビル)